
看護師や介護士の夜勤でよく聞く変則2交代とはどんな勤務か説明します!
もともと看護師の夜勤は2交代と3交代が主流でした。
変則2交代とは2交代のデメリットである勤務時間の長さを解消した体制です。
今回の記事では変則2交代とはどんな勤務なのか、そしてなぜ変則2交代という勤務体制が生まれたのかを説明したいと思います。
- 変則2交代の夜勤は何時から何時までの勤務があるのか?
- 変則2交代のメリット、デメリットを知りたい
目次
変則2交代は2種類の日勤と夜勤で構成される勤務体制
変則2交代は主に3つのパートで区切られます。
3パートに分かれているなら3交代じゃないの?
変則2交代の場合の勤務時間
日勤は2交代、3交代と変わらない勤務時間
日勤は8時30分~17時30分までとあまり変わりありません。
違うのはここからで
- 遅日勤
- 長日勤(ロング日勤)
長日勤、遅日勤という普通の日勤とはまた違う時間で働く昼間の勤務があります。
遅日勤の勤務時間は?
これは従来からある言葉ですと「遅出」ともいわれます。
主に忙しくなる午前中のケアや予定入院が来る時間(10時)から出勤し、忙しい夕食が終了した頃(19時)まで。
または忙しい昼食の時間(12時)から出勤し、落ち着く就寝時(21時)までの勤務とするところが多いです。
ロング日勤の勤務時間は?
夜勤が短くなった分、人手が増やせない病院・施設は遅出ではなく、長日勤(ロング日勤)という勤務を挟むことが多いです。
8時30分~10時頃に出勤し、夜勤者がくる21時頃までの勤務となります。
変則2交代時の夜勤の勤務時間は?
これも病院・施設によって大きく違います。
ただここで重要なルールが一つあります。それは”夜勤の時間が13時間を超えない”ということです。
そのため20時頃に出勤し
そのため変則2交代時、夜勤の勤務時間は20時~22時頃に出勤し、翌日の朝9時頃までとなります。
変則2交代が生まれたきっかけは「17時間夜勤」のつらさ
変則2交代が生まれた背景ですが、昔から2交代の夜勤は17時間勤務となるため、身体的・精神的な負担が大きいことが挙げられていました。
ワークライフバランスが重要とされるこのご時世。「働きやすい職場環境」をつくることが経営者としての責務とされています。
そういった社会としての動きや働いている方の意見を取り入れ、看護協会では夜勤や交代制勤務を編成する際の基準を下記のように設けることにしました。
1、勤務間隔時間(11時間以上の間隔をあける)
2、勤務の拘束時間の長さ(拘束時間は13時間以内とする)
3、夜勤回数 (3交代制勤務では月8回以内を基本とし、それ以外の交代制勤務では労働時間等に応じた回数とする)
4、連続の夜勤回数 (2連続までとする)
5、連続勤務日数 (5日以内とする)
6、休憩時間 夜勤の途中で1時間以上、日勤時は労働時間の長 さと労働負荷に応じた時間数を確保する
7、夜勤時の仮眠 夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定する
8、夜勤後の休息(休日を含む)1回の夜勤後は概ね24時間以上、2回連続夜勤の2 回目の夜勤後には概ね48時間以上を確保する
9、週末の連続休日 少なくとも1カ月に1回は土曜・日曜ともに前後に夜勤のない休日をつくる
10、交代の方向性 正循環の交代周期とする
11、早出の始業時刻 7時より前は避ける【夜勤・交代制勤務の勤務編成の基準案(2012年3月版)】
変則2交代勤務のメリットは?
変則2交代勤務のメリットとして様々なことがあります。
変則2交代勤務最大のメリットは夜勤が短いこと!
一番のメリットは夜勤時間が短いことです。
17時間の夜勤から12時間程度になるということは、今までの勤務の2/3の時間で済むという事です。
また21時以降は就寝後となるため、比較的休憩しやすい時間となっています。
もちろん施設や病院によっては寝れずにウロウロしている方などいて落ち着かないところもありますが・・・
つまり単純に勤務時間が短くなるというだけでなく、夜勤中の忙しい時間帯が減り、比較的落ち着いた時間の勤務になるという事です。
変則2交代は様々な勤務時間があるため、自分の生活にマッチさせやすい
様々な勤務時間があることで助かるのは世のお母さまじゃないでしょうか?
朝は保育園または幼稚園へ預けに行かなかければならない。
また子供が大きくなり、学校の準備から見送り
もちろん朝食の準備からゴミ捨てまで家事全般があって忙しい。
こういった母親、家事をするとなると朝遅い方が助かりますよね。
夜勤も16時からだと子供に会えないが、20時からであれば夕飯を一緒に食べることができるうえに、子供を夫に任せることができる。
このように従来の2交代では「夜勤は土日だけじゃないと無理です」というお母さんが今までよりも無理なく夜勤をすることが出来るのです。
変則2交代勤務のデメリットは長日勤がとにかく疲れる
変則2交代のデメリットはなんといっても長日勤の疲労です。
スタッフが多く、人手が足りている職場は早日勤、遅日勤など出勤時間を変えて対応すればいいのですが、このご時世にそんな人手が足りている職場は多くありません。
そうなると結局変則2交代を採用するという事は、長日勤を入れざるを得ない形になります。
長日勤の大変さ①勤務時間の長さ
結局夜勤の時間が減る代償として、日勤が長くなった形になります。
夜勤の時だけ長時間勤務、つまり月の4回が長時間勤務となる2交代。
それに比べて変則2交代の場合はその月4回に比べて、6~8回は長時間勤務をしなければいけない日が増えるというのは精神的にやられます。
夜勤の12時間と昼間の12時間では業務量が雲泥の差
比較的夜勤は、定時で行う業務が少ないです。また緊急の入院なども病棟によってはだいぶ少なくなります。
しかし日勤の場合は
- 入浴介助や清潔面のケア
- 予定入院、緊急入院受け入れ
- 様々な検査や処置
といった業務がたくさんあります。
つまり同じ12時間勤務でも圧倒的に日勤の方が業務量が多く疲れてしまうのです。
イベントある患者こんだけと、何にもイベントはない患者プラスで4人くらい。。。長日勤やからノンストップで21時まで(-᷅_-᷄๑)帰ってご飯食べる気力もなかった
— 藤原 由佳 (@f2y7) 2019年9月20日
まとめ
変則2交代勤務はお分かりいただけたでしょうか?
正直い2交代と変則2交代どちらがイイとは言い切れませんが、それぞれのいいところ悪いところが見えたら幸いです。
世の中の看護師のみなさんも色々な意見があるようですが、twitter上では「長日勤が辛い」という意見が多く、変則2交代勤務に否定的な方も多数いらっしゃいます。
それ看護師の長日勤って既に導入されてるやつ。一日10時間勤務とかほんと頭おかしい
— 咲楽 結祈 コスサミ3fgo沖田4マシュ英霊正装 (@sakura_yuki115) 2019年9月19日
やはり看護師や介護士の負担軽減を図るには人員を増やすしかないのですかね。