
この”看護師護小規模多機能型居宅介護”という言葉、病院勤務の方はあまり耳にしないと思いますが、福祉や訪問看護の部門にいる方はよく耳にすると思います。
2019年度看護協会の推進事業の中にも出てきたこの看護師護小規模多機能型居宅介護
巷では”かんたき” ”看多機” とも呼ばれています。
つまり看護業界の地域に向けた事業の中では、現在特に重点的に力を入れていくサービスといっても過言ではないです。
ぜひ看護師のみなさんには知っておいていただきたいですし、これを知っている介護士、看護師のみなさんにも復習だと思って読んで頂きたい記事となっています。
- 看護小規模多機能居宅介護とはなにか知りたい
- 看護小規模多機能居宅介護のメリットデメリットを知りたい
- 看護小規模多機能居宅介護の利用料金や全体の費用がどのくらいかかるのか知りたい
目次
”看護小規模多機能型居宅介護”とは
看護小規模多機能型居宅介護とは
- 小規模多機能型居宅介護
- 訪問看護
この二つが一体化されたサービスです。
小規模多機能型居宅介護とは介護保険界のバリューセット!?
では小規模多機能型居宅介護とはなにかということになります。
ずばりマックでいうところのバリューセットです!!
介護保険で使えるサービスの
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所(ショートステイ)
- 訪問介護
これら3つのサービスを一つの事業所が提供してくるのが小規模多機能型居宅介護なのです。
つまり”介護3点セット”に医療要素の”訪問看護”までついたのが看護小規模多機能型居宅介護
通所介護、短期入所、訪問介護に加えて、医療である訪問看護までセットになったものが看護小規模多機能型居宅介護ということです。
看護小規模多機能居宅介護は、医療が加わることで、医療面でのサポートが必要な人も自宅で見ることができます。
基本的には要支援の方は受けられず、要介護1~5までに認定された方のみとなっています。
そして直接的な医療行為が無くても、認知症と診断された方や、がんの終末期を迎えた方の利用も可能となっています。
全国で看護小規模多機能型居宅介護の指定事業所は357か所(2017年3月時点)
全国で看護小規模多機能型居宅介護の指定事業所は357か所あります(2017年3月時点)
うち82か所が2017年に新規でできた事業所です。
県ごとに見ると岩手県は1か所の事業所しかありませんし、長野、沖縄なども2か所しかありません。東京は一番多く約20か所もあります。
看護小規模多機能型居宅介護のメリットってなに?
一つの事業所で”介護3点セット(通所介護、短期入所、訪問介護)”と訪問看護が頼めるというメリットは理解できたと思います。
しかしメリットはそれだけではありません。
- 一つの事業所でいいのでサービスを依頼する人が楽でいい
- 一つの事業所のためスタッフ、利用者ともに顔なじみのため安心できる
- 料金設定が定額のため分かりやすい(減算・加算あり)
- セット内容を変更してもケアプランを書き直さなくていい
- 退院後すぐ在宅にもどり不安な時にショートステイも使えて安心
- 病状が変化する週末期がん患者へ、サービスの変更など柔軟な対応が可能
- 医療ケアの必要な認知症の利用者に対し、原疾患の進行に合わせた支援が可能
看護小規模多機能型居宅介護デメリットは!?
もちろんメリットだらけではありません。看護小規模多機能居宅にはデメリットもあります。
- 「通所だけは違うところがいい!」などサービスごと自由に施設を決めることができない
- いつもおなじ利用者スタッフのため、トラブルがあった時に施設の変更ができない
- 料金設定が定額のためサービスの利用が少ないと損をしてしまう
- 今までのケアマネージャーではなく、事業所専属のケアマネージャーに変更しなければならない
看護小規模多機能居宅の料金は収入と介護度できまる
看護小規模多機能型居宅の料金はなんとは定額!
原則1割負担となりますが、一定以上の所得がある利用者は2割または3割負担となります。
利用者が負担する費用は同一建物以外に居住している場合は以下のとおりです。
※これらは1割負担の場合です。
要介護1 | 12.341円/月 |
要介護2 | 17.268円/月 |
要介護3 | 24.271円/月 |
要介護4 | 27.531円/月 |
要介護5 | 31.141円/月 |
また同一建物以外に居住していない場合は以下の通りになります
要介護1 | 11.119円/月 |
要介護2 | 15.558円/月 |
要介護3 | 21.871円/月 |
要介護4 | 24.805円/月 |
要介護5 | 28.058円/月 |
※厚生労働省「介護報酬の算定構造」(平成30年4月現在)に基づいて計算しています。
ただしこれらの料金はは時間帯(早朝・深夜)や地域(市区町村)の区分などによって異なります。そして上記の料金に加えて食費、宿泊費、光熱費、おむつ代や理美容費といった日常生活費など別途必要になります。
また、看護小規模多機能型居宅介護を利用している間は、訪問リハビリテーションや居宅療養管理指導、福祉用具のレンタル以外のサービスを利用することはできませんので注意しましょう。
まとめ 看護小規模多機能居宅型介護は料金もシステムも利用者が分かりやすい介護サービス
なんとなく看護小規模多機能居宅は理解いただけたでしょうか?
介護保険で利用できるサービス、そして事業所が増える中、老々介護でサービスを受ける方の家族も高齢化するこのご時世。やはり料金もシステムも分かりやすいのが一番だと思います。
そして家での生活を主としつつ、医療サービスを受けたいという需要が高まる今を反映したサービスではないでしょうか。
そうなんです。
このフリーランスや自営業が流行る今、看護師や介護士が経営できる施設か気になりますよね?
次回は看護小規模多機能居宅型介護施設を開業するにはどうしたらいいかに触れていきたいと思います。