
「Nursing Now(ナーシングナウ)!キャンペーン」世界的な取り組みとは
看護師のみんな、よく聞いてくれ。
世界的な取り組みが始動したのじゃ!
看護師のみなさん、「Nursing Now(ナーシングナウ)」という言葉を聞いたことありますか?
今、この言葉が世界で広まりを見せようとしています。
日本でも、厚生労働省と日本看護協会が2019年5月11日に「Nursing Nowキャンペーン実行委員会」発足式を開催しました。
そこで、今回は「Nursing Now(ナーシングナウ)」について世界一わかりやすく解説します。
目次
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale)についておさらい
フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale)は、看護師のみなさんなら誰しもが知っているでしょう。
ただし、名前は知っているだけで詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
ナイチンゲールは、イギリス人の看護師です。
生年月日は1820年5月12日です。
この生年月日は、世界の看護師団体にとっては特別な日となっており様々な取り組みが行われています。
例えば、ICN(国際看護師協会)では毎年5月12日を「国際看護師の日」と定めています。
そして日本では、毎年5月12日を「看護の日」と定めています。
また、毎年5月12日を含む週の日曜日から土曜日までが「看護週間」となっています。
これらは、ナイチンゲールの生誕を記念して定められた取り組みなのです。
ここで一つ疑問が。
そこで、ナイチンゲールの功績についておさらいします。
ナイチンゲールを語る上で、もっとも大きな出来事が「クリミア戦争」です。
クリミア戦争(Crimean War)
1853~56年、ロシアと、トルコ・イギリス・フランス・サルデーニャ連合軍との間で起きた戦争。聖地エルサレムの管理権をトルコに要求して南下を図ったロシアに対し、阻止しようとするイギリスなどがクリム(クリミア)半島に出兵して参戦。ロシアが敗北した。
ナイチンゲールは、このクリミア戦争においてイギリス政府が派遣した看護師団の団長に任命されました。
この看護師団は40名で構成され、医師と協力して負傷兵を手当てしたり、看病したりすることが役目でした。
ナイチンゲールは、多くの負傷兵に対して医師の治療の介助、食事の世話、選択、病室の掃除など一生懸命働きました。
「看護覚え書き」というナイチンゲールが残した有名な著書がある。
人間は生まれつき「生命力」をもっている。
看護とは、「生命力」を高めるように環境を調整して自然治癒力を高めることが大切である。
これは、名言じゃ。
戦争の場でナイチンゲールは、「生命力」を高めるように環境を調整することに力を注いだのじゃ。
目を見張るようなナイチンゲールの働きぶりはまもなく医師や負傷兵、看護師団のなかでも話題となりました。
ナイチンゲールは医師から信頼され、また負傷兵からは天使のように優しい態度で看病に当たる姿から「戦場の天使」と呼ばれました。
ナイチンゲールの看病を受けた負傷兵たちは、母国へ戻りナイチンゲールの活躍を周囲に伝えました。
そして、ナイチンゲールは英雄となっていきました。
Nursing Now(ナーシングナウ)とは
Nursing Nowは、看護職への関心を深め、地位を向上することを目的とした世界的なキャンペーンです。世界保健機関(WHO)と国際看護師協会(ICN)が連携し、Nursing Nowキャンペーン理事が運営しています。ナイチンゲール生誕200年となる2020年末までキャンペーンを展開します。
看護職への関心を深めてもらうことや看護職の社会的地位向上が目的なキャンペーンではありますが、より一層「健康志向」が高まる現代社会において、看護職が健康増進の中心に立って存在感を示していくことが大切であると私は思います。
そして、人々の健康向上に貢献していけるような看護師でありたいと私は思います。
また、この引用記事には掲載されていませんが調べてみると次のことがわかりました。
英国王立産婦人科医協会(Royal College of Obstetricians and Gynaecologists, RCOG)のパトロンを務めるキャサリン妃が、2018年2月に立ち上げたキャンペーンが「Nursing Now」であるとのことです。
世界30ヵ国ですでに取り組みは始まっているそうです。
さて、近代看護を築いた看護師の憧れであるフローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale)。
2020年5月12日は、ナイチンゲール生誕『200年』を迎えます。
200年経っても、なお英雄として語り続けられる人物というのは他の業界でもなかなかないことですよね。
それだけ、ナイチンゲールの偉大さを思い知るとともに、その後の我々後輩看護師達がもっと頑張らないとならないのではと改めて思います。
さて、話しを戻しますが「Nursing Now」は世界的なキャンペーンということで壮大なイベントになりそうですね。
今まで、「国際看護師の日」や「看護の日」、あるいは「看護週間」という取り組みも今一つ盛り上がっていない印象を受けてきました。
日本では、超高齢化社会を迎えて看護職の需要は増すでしょう。
しかし、看護師不足は一向に解消されません。
医療はますます複雑化しており、従来は医師の役割であった医療行為を看護師が行えるようになる範囲も増えていくことが予想されます。
そして、ナースプラクティショナー制度についても議論されています。
「ナースプラクティショナーって何?」
現役看護師でも知らない人もまだ多いことでしょう。
諸外国ではナースプラクティショナー制度があります。
このナースプラクティショナー制度についてはきちらの記事で詳しく紹介されています。
日本看護協会が発行している、2019年5月号の協会ニュースにもトップページに記事がありますのでぜひ読んでみて下さい。
ナースプラクティショナー制度のみならず、看護師業務の複雑化・高度化に伴い、「看護師基礎教育4年制化の実現」についても議論されており、2019年5月号の協会ニュースのトップページに取り上げられています。
つまり、看護師の基礎教育は3年では不十分であることから1年延長しましょうという流れが来ています。
このように、看護師に求められる技量や知識は確実に増えているのです。
そんな中で、今回の「Nursing Now」の取り組みはとても良いと私は思います。
なぜならば、世間の人々に看護師にもっと関心を持ってもらいたいと思うからです。
看護師の悲惨な実情や、日々医療現場で起こっているマンパワー不足、行き届かないケア。
安全で安心の医療を提供するためには、もっと人手を増やす必要があると思います。
このような、今起こっている問題は現場から発信していかないといつまで経っても改善はされません。
今回の、Nursing Nowの取り組みが看護職への関心を深めてもらうきっかけとなることを私は強く望んでいます。
もう一つ、看護職の地位向上を目的としてNursing Nowの取り組みは始まっています。
現役看護師のみなさんは、「看護職の社会的地位」についてどう思われますか?
人それぞれで、感じ方には違いがあると思います。
また、世界と比較してどうなのか気になりませんか?
そういった内容もこのブログでUPしていきます。
Nursing Nowキャンペーンの推進に少しでも貢献できたら幸いです。
Nursing Now(ナーシングナウ)実行委員会発足!
2019年5月11日(土)、日本でも本格的にNursing Nowキャンペーンが発足しました。
Nursing Nowを推進するために、Nursing Nowキャンペーン実行委員会が発足しました。
Nursing Nowキャンペーン実行委員会発足式が先日行われました。
会 場:日本看護協会JNAホール
内 容:主催者挨拶/「ナーシングナウキャンペーン」説明/集合写真撮影
登 壇 者 :厚生労働大臣 根本匠氏、日本看護協会 会長 福井トシ子、
WHOプライマリーヘルスケア看護開発協力センター 所長 大田えりか様、
公益社団法人 日本医師会 常任理事 釜萢 敏様、公益財団法人 笹川保健財団 会長 喜多 悦子様<Nursing Nowキャンペーン実行委員会 参加団体・後援団体・オブザーバー>
☆参加団体☆
•公益社団法人 日本看護協会・日本看護連盟(Nursing Nowローカルグループ)
•公益社団法人 日本助産師会
•全国保健師長会
•一般社団法人 日本精神科看護協会
•一般社団法人 日本看護学校協議会
•公益財団法人 日本訪問看護財団
•一般社団法人 全国訪問看護事業協会
•一般社団法人 日本看護系大学協議会
•一般社団法人 日本私立看護系大学協会
•一般社団法人 全国保健師教育機関協議会
•公益社団法人 全国助産師教育協議会
•認定看護管理者会
•一般社団法人 看護系学会等社会保険連合
•公益財団法人 笹川保健財団
•公益財団法人 木村看護教育振興財団
•WHOプライマリーヘルスケア看護開発協力センター/聖路加国際大学
•災害健康危機管理WHO協力センター/兵庫県立大学地域ケア開発研究所
•国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
•日本赤十字社医療事業推進本部看護部
•独立行政法人 労働者健康安全機構
•国立大学病院看護部長会議
•社会福祉法人 恩賜財団済生会
•一般社団法人 日本私立医科大学協会病院部会看護部長会
•独立行政法人 地域医療機能推進機構
•全国国立病院看護部長協議会
•公益社団法人 全国自治体病院協議会看護部会
•国家公務員共済組合連合会
•一般社団法人 日本産業保健師会
•一般社団法人 日本看護系学会協議会☆後援団体☆
•公益社団法人 日本医師会
•公益社団法人 日本歯科医師会
•公益社団法人 日本薬剤師会
•一般社団法人 日本病院会
•公益社団法人 全日本病院協会
•一般社団法人 日本医療法人協会
•公益社団法人 日本精神科病院協会
•公益社団法人 全国自治体病院協議会
•公益社団法人 全国老人保健施設協会
•公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
•社会福祉法人 全国社会福祉協議会
•日本労働組合総連合会
•認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML☆オブザーバー☆
•厚生労働省
発足式では、根本匠厚生労働大臣が挨拶をしています。
その内容は次のようになります。
つまり、厚生労働大臣が看護職の活躍無しには医療の発展は無かったことや、女性の社会進出に看護職の活躍は大きく貢献していると認める発言をされたのです。
私は、これはスゴイことであると思います。
日本看護協会会長の福井トシ子さんも挨拶しておる。
次のような内容を言っておるのじゃ。
Nursing Nowキャンペーン具体的な活動内容は?
まだ、Nursing Nowキャンペーンの具体的な活動内容はあまり公になっていません。
それでも、これまでの日本看護協会会長の福井トシ子さんのメディアでの発言を見るとそのヒントが得られます。
今回は、福井トシ子さんのインタビューの中から引用されてもらいます。
看護職のワーク・ライフ・バランス(以下WLB)は、今、世界中で注目されています。「看護職が活躍できる社会の実現」を目指し、世界30ヵ国で、ナイチンゲール生誕200年(2020年)に向けた「Nursing Now! キャンペーン」が実施されているのです。これは英国王立産婦人科医協会(RCOG)のパトロンを務めるキャサリン妃が、今年2月に立ち上げたキャンペーンです。目的は、より多くの看護職が健康政策の意思決定に貢献し、世界の健康を向上すること。実際には、看護職のWLBを改善し、社会的地位の向上を促す内容となっています。
(中略)今後は、その道のスペシャリストとして活躍する以外にも、家庭を持ち、子供を産み育てながら働くという職業人生(ライフキャリア)がもっと評価されていいはずです。
この記事をみて、なかなか素晴らしいなと私は思いました。
つまり、「ワーク・ライフ・バランスの推進」をこの「Nursing Nowキャンペーン」でより進めていこうとしているのです。
仕事と私生活のバランスを取って、両立していくことは看護師を長く続けるためには不可欠であると私は思います。
また、もう一つ福井会長の発言で素晴らしいと思った部分があります。
看護職として、専門性を追求してスペシャリストになっていくことだけが評価されるのではないということ。
つまり、仕事よりも子供を産み育てながら家庭第一ということの中で働くということもちゃんと評価しましょうという考え。
働き方改革法案が2019年4月に施行されました。
看護師の働き方改革も今、真剣に議論されようとしています。
そして、女性が大半を占める看護職は、仕事よりも育児に重点を置くという考えも受け入れられやすい。
また、男性看護師は女性社会の中で、女性の苦労を肌で感じており、家事や育児に力を入れて仕事と家庭の両輪をうまくバランスを取りながら働いている人を私は沢山知っています。
看護師の社会的地位の向上、健康増進、生活水準の向上、ワークライフバランスの取れた仕事と私生活のバランス、どれもこのブログの目指すところと合っておるニャ。
これからも、Nursing Nowキャンペーンを推進していこうニャ。