働き方改革の風を、ぜひ看護、介護にも吹かせたい(^^)/
看護、介護の働き方改革といっても、どこから手をつけたら良いのか?
私はズバリ『勤務表』であると思います!
私が病棟の師長として、
勤務表自動作成ソフトを利用してみてどうだったのか?について書きたいと思います。
導入ソフト:『セルヴィス』
時期:①2016年上半期と②2017年度上半期
病院規模:約150床の病院で病棟は3つ
病棟の特徴:
①2016年上半期は回復期リハビリ病棟50床規模
②2017年上半期は内科一般病棟40床規模
夜勤はいずれも2交代で16時間夜勤
今回はまず、①の取り組みについて報告します。
回復期リハビリ病棟
<施設基準>:回復期施設基準Ⅰ+体制強化加算を取得
看護師13対1ですね。
土日も関係なく、365日リハビリは行われていました。
<患者層>
大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折、腰椎圧迫骨折など整形外科疾患が5割。
残りの1割は廃用症候群でした。
<病棟運営>
ベッド稼働率は驚愕の95%。
生き残りをかけて、とにもかくにもベッドを空けない運用が師長の至上命題でした。
高度な外科治療がない民間の中小病院にあっては、
回復期基準の『1』を取ることは経営上非常に大きなことでした。
なぜなら、国が疾患毎に定めた日数、脳梗塞150~180日、骨折90日であれば、一定期間は非常に高い入院基本料が算定されているためです。
<職員数>看護師約20名 介護福祉士約10名 入浴・食事介助バイト5名
<職員の年齢層>
・新人ナースが毎年2~4名。
社会人経験ある方から、高卒ストレートの方まで幅広い。
・結婚してからこの地域に引っ越してきた中堅層を中心に26~30才が4~5名。
この年齢層は、まとめて妊娠されて一時期同じ病棟で4名妊娠者がいるときもありました。
・30~40才の子育てしながら働く世代4~5名。
・40~50才のちょっと子供が大きくなってきて仕事にウェイトおける世代があまりいない(涙)
・50~60才の子供も大きくなり、仕事も経験豊富でそれこそ師長クラスや病院を背負っていく世代があまりいない(涙)
・それから、パート勤務の看護師が3割でいました。この方達は、夜勤ができなかったり、土日が働けなかったりという制約がありました。
・私は、2交代だけだった病棟看護師夜勤形態に変化を取り入れました。
深刻な人員不足と、夜勤体制確保困難を乗り越えるために、
『変則3交代の導入』
どういうものかというと、
年をとってくると体力的に2交代の長時間はきついという職員がでます。
また、子供が小さいなどの理由で夜勤が難しいからパートになっている職員がいました。
でも、準夜帯は子供のご飯や寝かせつけまでする。
必要があり夜勤はできないが、深夜なら家族の協力があればなんとか夜勤ができ
るという職員がいました。
そこで、うまく組み合わせることで一部に3交代を導入することで夜勤体制の確保に努めました。
これは比較的うまくいって、導入によって月7~8日の夜勤は変則3交代で埋まりました。
2交代を3交代に変えようとすれば、職員の反発は必死だったのでマイルドに体制を変えたという部分はまあまあ良かったのではと思います。
<勤務表自動作成ソフトを積極的に取り入れたいと思った理由>
上記したように、変則3交代まで取り入れると勤務の組み方は簡単ではありません。
さらに私は基本的に、
勤務希望に日数制限はつけませんでした
それぞれの私生活を充実させて欲しいから、何日希望取ってもいいですよというスタンスでいました。
そして、制限をもうけなくても勤務表が成り立つように一定のルールを職場会で皆で話し合って決めました(^^)/
これについてはまた、いずれ看護師の働き方改革シリーズで理由を述べたいと思います。
話しを戻しますが、つまりは勤務表を組むのがスゲェー大変だったのです!!
このスゲェー大変な勤務表にどの病棟の師長も悩んでいるんだろうな、
これはうちの病院だけじゃなくて全国の病院でも同じようなことが起きているんだろうな、そう思ったんです!
一方で、『セルヴィス』という勤務表自動作成ソフトを導入はしていましたが、
残念ながら全く機能しておらず、今までの師長さん達は皆あきらめていました。
そこで、自分がもしこの自動作成ソフトを使いこなせれば、自分業務が楽になるだけでなく、他の病棟の師長さんの助けにもなれるかもしれない。
そこで、業者さんに来てもらい、一緒に相談しながら自動作成ソフト利用を開始しました!!
<勤務表自動作成ソフト流れはこんな感じ>
・病棟基準を満たすよう条件を設定
曜日毎、勤務種類毎(日勤、早、遅、夜勤)必要な勤務者人数を入れる。
管理者的な立場を日勤に1人は最低入れる(師長不在時)。
・個人の条件を設定
常勤のベテランさんはそんなに入れること少ないですが、
新人は〇月までは日勤の1名に数えないとか、
3年目までは夜勤は中堅以上と必ず組ませるとか、
パートの人は何曜日は休みで、土日はダメで、夜勤はダメとか、
この人は準夜だけで、深夜のパートナーがこの日は必ず必要とか、
夜勤は何回までとか、
妊娠されている方は夜勤免除とか、
こことここは犬猿よりも悪い仲だから組ませないとか←チラネーヨ
この個人の条件設定が超重要だけど超難しい
これだけで3時間くらいはかかりました。
まあそれでも一度入力すれば、ずっと自動作成してもらえるならと思い頑張りました。
なお、個人の条件設定には、必須条件となるべくそうなるよう努力するという条件が設定できました。
・会議、委員会、行事を入力
・勤務希望を入力
壮大かつ莫大な希望の山々がここで入力されます。
全国の病棟師長さん気持ちわかります、お疲れ様です!!
・さあ自動作成開始ボタンをポチッとな←キリッ
さあ、どうなるか・・・
待つこと、約10分
出来た!!
but
なんじゃこりゃあ!!!
夜勤が1人だけになっていたり、
新人含めて日勤が3人しかいなかったり、
犬猿の仲が夜勤になっていたり←チラネーヨ
正直言って、これじゃ話しにならんレベルの出来栄え!!
そこで、業者さんもお手上げといった様子で、
手直ししてみましたが、完成には至らず断念w
長時間かけて取り組んだ私も、心が折れました←ポキッ
作成を難しくさせたのは、個人の条件入力の多さなのかなと思いました。
特に、この病棟の場合、同時に新人が4人いて指導体制を組む条件設定がうまく行かなかったのが要因でした。
あと、これは当然ともいえますが、希望が多く入って人数が足りなければ、ソフトの力ではどうにもなりません(笑)
勤務表自動作成ソフトも、マンパワー不足には勝てずwww
ちなみに、勤務希望を全く入れずに勤務表を自動作成したらちゃんと作れましたよ!
でも、それなら師長さん達も楽に作れるでしょう。
複雑なら複雑なほど、自動作成ソフトの出番だと思います。
まだ、そこまで開発に費用をかけたソフトではないなと実感しました。
別に、私が利用させてもらったソフトを責めるつもりは全くありません。
むしろ、世界で一番難しい勤務表である病棟看護師の勤務表に着目した点は素晴らしいと思います。
ここで、私は提案します。
日本看護協会よ、
看護師の勤務表自動作成ソフトに集めた資金を投入してくれ~
まだまだ、自動作成ソフトが普及しない原因は開発費にお金が大して投入されていない点です。
それならば、本家に登場してもらいましょう。
最近、日本看護教会ニュースのペーパーでも
働き方改革のことが書かれています!
皆にとって働きやすい勤務表をつくることでの、看護師のモチベーションUPはハンパないと思いますよ。
なぜ、そう思うのか!?
次回、私が経験した2つ目の病棟での勤務表自動作成ソフトの利用に絡めてその理由を書いていきたいと思います(^^)/