
看護師の勤務表作成に"自動作成ソフト"を使用した感想と作成の裏側教えます
勤務表はいつの時代も看護師にとって一番気になる配布物です。
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— つぶた (@Vh0nUfGH0lba8pO) 2019年8月6日
- 自分の勤務希望が通ったのか
- 嫌なお局との夜勤はないか
- 連休があるのか
- 5日勤などの連続勤務が無いか
ただ想像しただけでも作成が大変な勤務表。
これだけIT関連が発展した世の中で、「自動勤務表作成ソフトを使えばいいじゃん!」と思う方は多いと思います。
実はかみん様、「ファースト」の資格を持ち、転職前は師長だった経歴があります。
大した師長ではありませんでしたが、『勤務表』についてはある程度、職員から賞賛されていた部分はありました。
「より良い勤務表ができないか」と思っていた時に「自動勤務表作成ソフト」の存在を知り、実際に使用してみました。
実装に向け何度も何度も何度も業者と話し合いをし、実際に使ってみると・・・
だめだこりゃ!
正直「自動勤務表作成ソフト」は自分の中で使い物になりませんでした。
そこで今回は実際に「自動勤務表作成ソフト」を使用したかみん様の体験談と共に、勤務表作成の裏側や苦労を記事にしたいと思います。
- 大変な勤務表作成の裏側を知りたい
- 自動勤務表作成ソフトを使用した感想を聞きたい
目次
看護師の勤務表を作る看護師長は大変…
全スタッフが気になる一枚の紙「勤務表」には生活の全てが詰まっているものです。
そのため病棟師長は適当に作るわけにはいきません。
適当に作れないからこそ、勤務表を作成する師長はとても大変です。
- 夜勤や早出、遅出、ロングなど変則的な勤務が沢山ある
- 女性が多い職場の為、妊娠・子育て・介護などの理由がある
- 運動会など子供のイベントやクリスマスなどにより勤務希望が重なる場合がある
- そもそもギリギリで厳しい人員体制である
- 土日や夜勤は技量や経験を考慮してバランスを取る必要がある
- 正職員だけではなくパート職員がいて働き方に制約がある
そもそも一番残業が多いのが師長で、部下に残業しないよう指導している自分が一番残ってるという矛盾を感じる瞬間でもあります。
そのくらいどの師長も残業覚悟で勤務表を作成している現実です。
大変な勤務表作成の救世主!!勤務表自動作成ソフト
スタッフみんな看護師長が勤務表に時間を割き、そして苦悩している姿を見ていると思います。
そしてだれしもが『いや、勤務表作成ソフトあるらしいしそれ使えばいいじゃん!!』と思うでしょう。
- 皆の希望が通りライフスタイルが充実
- 嫌な組み合わせを避けることでストレスの減少
- ライフスタイルの充実とストレス減少で患者へ良いケアの提供
- 師長さんの時間外労働の削減
- 師長のストレスが減り、部下への接し方が穏やかになる
とりあえず無料の勤務表の自動作成ソフト(エクセル)やアプリの勤務表作成ソフトを使ってはみたが・・・・
自動でできる勤務表作成ソフトを使ってみよう!!
と考えた時、真っ先に浮かぶのは
”無料の勤務表作成ソフトはないのか?”
と思う人が多数だと思います。
もちろん無料で勤務表を作成できるツールはあります
- エクセルで作成する勤務表
- アプリの勤務表作成ソフト
無料の勤務表作成ソフトは病棟看護師の勤務には向いていない
看護師は他の職種と違い勤務形態が複雑です。
そのため無料の勤務表作成ソフト程度の能力では、思ったような勤務表を作成することはできません。
外来や個人の病院で夜勤が無い職場なら可能かもしれません。
しかしExcelが基になっているため、パソコンが苦手な看護師では難しく感じるかもしれません。
※特に管理者となると年齢も高く、余計にExcelに抵抗がある方が多く難しく感じられるでしょう。
回復期リハビリ病棟で変則3交代導入に伴い勤務表ソフト『servis(セルヴィス)』を使った事例
ゲームも勤務表作成ソフトも無課金厨乙!!
ということで、今度は有料の勤務表作成ソフトを使用した話です。
『セルヴィス』という勤務表自動作成ソフトを導入した病院で、実際に勤務表作成に使用してみました。
勤務表作成ソフト『servis(セルヴィス)』を2つの病棟で使用してみた結果を伝えていきたいと思います。
回復期リハビリ病棟の看護師や体制の紹介
病床数:50床
人材不足で変則3交代を導入したい!…けど勤務表が2交代に比べて複雑で難しい
ただこの病棟も深刻な人材不足に泣かされていました。
そこで自分が師長になった際に2交代から変則3交代勤務にすることで、人材不足を解消しようと考えました。
一方でしわ寄せが来ます。
そうです!2交代に比べ変則3交代の勤務表作成は複雑になり難しくなるのです。
2交代であれば「日勤」と「夜勤」の2パターンであるため、比較的容易に勤務を組むことができます。
しかし変則3交代だと「日勤」「準夜勤」「深夜勤」「早番」「遅番」と勤務のパターンが増えるため、勤務表を作るのが非常に大変になります。
複雑な勤務表でこそ勤務表ソフト『servis(セルヴィス)』の出番だ!!
当病院にはすでに勤務表ソフト『servis(セルヴィス)』の導入がされていました。
しかし歴代の師長たちは「使いにくい」ということを理由に勤務表ソフト『servis(セルヴィス)』に頼らず手入力で勤務表作成をしていました。
この「使いにくい」という意見は自分の中で
- 世代的にパソコンに慣れていないから
- 女性という事もありパソコンに慣れていないから
- パソコンに慣れていないため使いこなせなかっただけ
と考えていました。
そこで、自分がもしこの自動作成ソフトを使いこなせれば、自分業務が楽になるだけでなく、他の病棟の師長さんの助けにもなれるかもしれない。
そう考えた自分は早速業者さんに来てもらい、一緒に相談しながら自動作成ソフト利用を開始しました。
勤務表自動ソフトに設定した内容
業者との相談を終え、早速勤務表自動作成ソフトを利用してみました。
最初にやるべきことは様々な設定です。
まずは病棟の条件を設定します。
病棟ごとに看護体制など違いますからね。
- 曜日毎、勤務種類毎(日勤、早、遅、夜勤)必要な勤務者人数を入れる
- 管理者的な立場を日勤に1人は最低入れる(師長不在時)
それが終わると次にスタッフ個人の条件を設定します。
- 新人は〇月までは日勤の1名に数えない
- 3年目までは夜勤は中堅以上と必ず組ませる
- パートの人は何曜日は休みで、土日はダメで、夜勤はダメ
- 夜勤の回数
- 妊娠されている方は夜勤免除
- 犬猿の仲は夜勤を一緒にさせない
- この人は準夜だけで、深夜のパートナーがこの日は必ず必要
この個人の条件設定が超重要ですが・・・
非常に難しくおおよそ3時間はかかりました。
個人の条件設定には、必須条件となるべくそうなるよう努力するという条件が設定できました。
まあそれでも一度入力すれば、ずっと自動作成してもらえるならと思い頑張りました。
基本的な設定を終え次にその月ごとの勤務希望を入力しました。
-
- 会議
- 研修
- 委員会
- 行事
- 個人の勤務希望
壮大かつ莫大な希望の山々がここで入力されます。
『servis(セルヴィス)』で作成した勤務表は散々な結果に
さあ自動作成開始ボタンをポチッ
・・・・
・・・・
・・・・
待つこと、約10分
夜勤が2人いなければいけないのに1人だけだと!?
新人含めて日勤が5人いなければいけないのに3人しかいない!!
そこで、業者さんもお手上げといった様子で、手直ししてみましたが、完成には至らず断念。
長時間かけて取り組んだ私も、心が折れました。
『servis(セルヴィス)』のせいだけではなく、今回の失敗の要因としては個人の条件入力の多さだと思います。
この病棟は同時に新人が4人いて、指導体制を組む条件設定がうまく行かなかったのが要因でした。
あとこれは当然ともいえますが、希望が多く入って人数が足りなければ、ソフトの力ではどうにもなりません。
『servis(セルヴィス)』の失敗を経て、更に勤務表自動作成ソフトの重要性を知った
ちなみに、勤務希望を全く入れずに勤務表を自動作成したらちゃんと作れました。
でも、それなら師長さん達も勤務表指導作成ソフトを使わずとも楽に作る事が出来るでしょう。
複雑なら複雑なほど、自動作成ソフトの出番だと思います。
別に、私が利用させてもらった『servis(セルヴィス)』を責めるつもりは全くありません。
むしろ、世界で一番難しい勤務表である病棟看護師の勤務表に着目した点は素晴らしいと思います。
ここで、私は提案します。
看護師の勤務表自動作成ソフトに集めた資金を投入してくれ
まだまだ、勤務表自動作成ソフトが普及しない原因は開発費にお金が大して投入されていない点です。
また病院側も勤務表自動作成ソフトに対して払える金額を甘く見ている部分があると思います。
これだけ働き方改革が推進されている今!下っ端の職員の働き方の改善はもちろん、管理者の働き方だって見直されていいはず!!